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もう10年以上も前に終了した当時の人気TV番組「マネーの虎」が、今でも話題を集めているようで、ちょくちょく色んなところでその名前を目にします。
「なんで今更マネーの虎?」
「うわーなつかしー!」
と、そんなリアクションが聞こえてきそうな感じですが、10年経った今でも注目を浴びているのには理由があるからなんです。
目次
マネーの虎とは
ビジネスアイデアや夢があるけれどお金のない志願者(一般人)が、年収1億円を超える虎(成功者)にプレゼンをし、投資を勝ち取る「投資バラエティ番組」という、聞いただけでもかなり面白そうな番組でした。
そして、志願者に対して甘いプランがあると、完全に否定し、怒鳴り、もう立ち直れないほどに言葉でボコボコにする虎の姿が、見ているこっちまで緊張してしまい、見ていてハラハラします。
だけどその分、稀にマネーが成立したりすると厳しい虎たちも拍手を送り、視聴者としても厳しいからこそTVにくぎ付けになって志願者を応援していました。
マネーの虎に出てた社長達がその後次々と倒産、破産、借金・・・
そんなマネーの虎ですが、なぜ今も話題に上がるのか気になりますよね。
それはなんと、当時虎達にボロクソに言われ、プランも否定されていた志願者の中で現在成功者になっている人が出始めたのです。
そしてその反対に、そんな志願者をボロカスにこき下ろしていた社長達が、次々に倒産、破産、そして借金を負うまでに落ちてしまっているのです。
まさに大逆転劇。大富豪で言ったら革命です。10年前とはまったく逆の立場になってしまいました。
そして、そんな失敗してしまった社長達の10年前の言動や人柄を見ると、ある共通点が見えてきました。
何故、あれだけの実力を持った社長達がここまで落ちてしまったのか。
当時志願者達に語っていた成功哲学は間違っていたのか。
そんな破産していった社長達の特徴と、失敗の要因を分析し、「一度きりの成功」ではなく「成功し続けられる人」になるための共通点を探ってみましょう。
堀之内九一郎社長
経歴
生活倉庫社長。独立しては潰しを繰り返し、その業種は30以上。そして成功しても浪費が激しく、ホームレスになってしまう。
ホームレス時代に寒さで凍えていると、壊れたストーブが捨てられていたのを見つける。今までの経験と手の器用さで修理すると、他のホームレス仲間に売ることが出来た。
それに味をしめ、時には警察に職務質問を受けながらも粗大ゴミを持ってきては修理し、売った。
物が溢れていた当時には新品同様の物も多く捨てられていて、ゴミが宝の山に見えた堀之内は仕入れコストがかからずに高く売れることに目をつけ生活倉庫を立ち上げる。
その後年商は100億円を超え、フランチャイズ展開をして一時期は250店舗にまで増え、リサイクル業界の先駆者として成功を収めた。
その後と現在
ずっと安定し成長し続けていたが、同業社の参入により競合が増え売上が激減。閉店、リストラと徐々に規模を減らしていくも資金がショートし、負債額15億円。破たんした。
2014年12月発行のフライデーでのインタビューでは「そっとしておいてくれ」と取材拒否をしている。
転落の要因は考えが古い?
マネーの虎では一番の常連でしたが、一番お金を出さない虎としても有名でした。というのも、今まで数々の失敗をしているからか、「商売はコツコツ下積みをして始めるもの」という考えで、また新しい画期的なアイデアはほとんど聞く耳を持たず、勝算のある確実なプランを求めていました。
当時の堀之内社長の言う言葉は本当に正論で、僕も大好きな社長さんでした。夢を追うよりも周りに迷惑をかけないような失敗しない生き方を諭す言葉は、今までの苦労や経験があるからこそで、重みがあるんですよね。
ですが、言い方を変えると「古い考え」というような印象もあります。仮に、時代を先取った起業家、例えばホリエモンとかがマネーの虎に出たとしても「考えが甘い」と一蹴しているような姿が浮かびます。
「ビジネスとはこうあるべきだ」と、自分の経験から出した答えを貫き通す堀之内社長ですけど、時は流れ、時代は変わります。
その時代にあった新しい要素を取り入れたり、その場その場で考え方を変えるような「臨機応変さ」が無かったのが、新規参入に負けてしまった要因の一つのようにも思えます。
安田久社長
当時の経歴
株式会社エイチワイジャパン社長。エンターテイメントレストランの火付け役として、刑務所風のレストラン、リゾート風レストラン 、遊郭レストランなど、一風変わった誰もやっていないような飲食店を広めた。
見た目からも野望を感じる目力で、人より多く儲けたい、大きい事をしたいという熱い男。
店舗を探している時に資金が足りず、「絶対に成功させるからやらせてくれ」と大家さんのところへ何度も通い、土下座して保証金を後払いにしてもらったというエピソードもあり、野望、執着、そして自信とパワーのある成功者の鏡。
現在、その後
夢であった「47都道府県の活性化プロジェクト」を立ち上げるも倒産。3億6000万円の負債を負い自己破産した。
その後のインタビューには、当時マネーの虎に出たことでチヤホヤされ、羽振りが良くなってしまったことを明かしている。
今はセミナーなどで飲食経営の塾をやっていて、自分が果たせなかった夢を塾生達に託している様子。
パスタ屋とのエピソード
利益をまったく考えずにお客様を一番に考えたパスタ屋をやりたい志願者に対して「原価をかけてたら儲からない」と批判したが、その志願者は加藤和也社長(美空ひばりの息子)によってマネー成立。
その後、自分の利益じゃなくお客様の事だけを考えたパスタ屋は大繁盛し、「批判した社長が倒産して、批判された一般人が大成功した」と話題になった。
それに対しては素直に「商売はカネありきだと思っていたが、10年経った今では素直に「彼の言ってることも正しかったなぁ」と認めている。
転落の理由は流行り物?
かなり熱があり、野望むき出しな前傾姿勢の社長で、僕も憧れを持って見ていた社長の一人です。
ただ安田社長の投資した志願者達は続々と失敗。一言で言ったら見る目がなかったという結果ですが、安田社長自体は恐ろしいポテンシャルを持っているので、他の人達(志願者)ではなかなかそこまで出来なかったという印象もありますね。
また、刑務所レストランなど誰もやってないような画期的なアイデアを大事にしていて、確かに「そんなレストランあったら行ってみたい」と思わせますが、「長年継続させる」という面では、逆に画期的なアイデアが足かせに(刑務所だけに)なってしまったのだろうと、この10年の歴史を見て感じました。
タピオカしかりナタデココしかり(若い人は知らないか…)流行り物やブームで一度は成功しても、時代やニーズの変化でコロっと流れは変わってしまいます。
川原ひろし社長 なんでんかんでん
当時の経歴
知っている人も多いと思いますが、有名ラーメン店「なんでんかんでん」の社長でありとんこつラーメンの火付け役。当時の環七通りには毎日行列が出来ていて、年収も1億円以上を稼いでいた。
その他にもエステをやったり、バラエティ番組に出たり、CDを出したりと幅広く活動している。
現在、その後
今ではもうラーメン屋はどこにでもあるほどで、ラーメンブームの先駆者であったなんでんかんでんのラーメンも今では「古いラーメン」になってしまったのか、売上が激減し、今ではもう3店舗しか残っていなく借金も億を超えるという。
現在は タレント活動をしながらも様々な事業に取り掛かっているが、最近では11年間やっている催眠術を始めたという。笑
失敗しても気にしない男!
この人は僕が見る限り失敗してないんですよね(笑)マネーの虎でも、試食したものは全部「めちゃくちゃうまい!」と大きい声で言うし、みんなが関心しているプランには「絶対に成功する!」と、まるで「おれが先に目を付けたんだ」バリに前に出てくるし、仲の悪い(本当は良い)南原社長とは、志願者そっちのけで言い争いをしたりと、とにかくぶっ飛んだキャラで好感がありました。
志願者の話は思い込みや直観などで話を聞くので、根拠がなくても金を出しちゃう感じがあり、投資したほとんどは上手くいかなかったみたいです。
ただ川原社長は人柄がとっても素敵で、誰からも好かれるような楽しい人なので、社長よりも投資家よりも、自分自身を売れるタレントが合ってるような気がしますので、今現在の姿。上の写真でも見た通り、催眠術師、とってもいいと思います(笑)
【追記あり】南原竜樹社長
当時の経歴
昔から車が好きで、バイト代をつぎ込んでは高級車を乗り回していた。
そんな中自動車輸入にビジネスチャンスを見出し、バイトを3つ掛け持って海外に行ったのは有名なエピソードだ。
(ちなみにその3つは吉野家、オートバックス、ガソリンスタンドで、8時間ずつ働いたらしい。8時間×3=24時間…って寝る時間は!?)
そして自動車輸入販売のオートトレーディングルフトジャパン株式会社を設立。年商90億を稼ぐ有名実業家となる。
その後と今
MSローバーの経営破たんにより100億円の負債を負い、資産や従業員を全て失う。
追記:なんと、ご本人様からその後の詳細を頂きましたので訂正させていただきます!!
みなさん、こんにちは。南原竜樹です。「レッツ⭐️起業」面白いですね〜。みなさんも、レッツ起業しましょう!
でも、「マネーの虎に出てた6人の社長がその後に転落した理由を推察してみた」の記事には異議ありです。2005年、英国MGローバー社の寝耳に水の破綻で、資産はすべて売り払い、従業員は全員解雇、多額の借金を抱えて、人生ゲームの振り出しどころか、マイナスに戻ったのは本当です。
でも、破産も倒産もしていません。
ようはこんな感じ。少年の頃から大空を自由に飛び回ることに憧れていた南原竜樹は、無一文からジャンボを購入するまでになり、みずからパイロットになって離陸、安定飛行に入ろうとしていたところで、突如予測不能の乱気流に巻き込まれ、機体はバラバラになりそうになってエンジンから出火、垂直尾翼がおっこちてコントロール不能、乗員がパニックに陥るなか、冷静な機長の誘導で乗員乗客を全員パラシュートでなんとか脱出させ、ガラスが割れて空気がビュービューと出て行くなか、ひとり残った南原はなんとか体をシートにくくりつけて、操縦桿を握り、あと3秒でだめだー、墜落する⁉︎
しかも、そのとき、背後に潜んでいたスペクターの殺し屋が私の首にナイフを当てて、「身代金2億ドル払え」と日本政府に要求したのです。もちろん日本政府はまったく無視です、というような絶体絶命の危機のなか、冷静な南原は操縦桿を思い切ってドカンを引っ張りあげ、油断した殺し屋がビューっと窓から吸い出されて危機一髪、巧みな操縦で胴体着陸寸前のところ、奇跡的に立て直したのです。
あれから10年目の今年、銀行の借金は遅れることなく完済、いまや機体を一新し、オートトレーディングルフトジャパンは再び飛び立とうとしています。江戸前寿司、レストランなどの飲食、沖縄のレンタカー、知多半島の旅館、医療介護、出版、パーソナルジム、それにもちろん自動車販売、とライフスタイル全般にわたる商品、サービスを提要しているのです。
売り上げは来季100億円、さらに1000億を目指します!
すっかり新型機に切り替わった南原竜樹をこれからも宜しくお願いします。(次回につづく)
小林敬社長
経歴
㈱小林事務所代表取締役であり、創作料理を中心に全国展開をし年商56億円をたたき出した飲食フランチャイズの虎。いや、鬼と言うべきか。
他にもトータルフードプロデュースとして様々な事業に携わり、CASジャパンの取締役にも就任した。
その後と今
CASジャパン就任後、長崎オランダ村の跡地を使い、「食」のテーマパーク「キャスビレッジ」をプロデュースしたが半年で経営破産。その後20億もの負債を抱えて自己破産した。
その後も再度京都に飲食店を立ち上げるがわずか4か月で閉店。現在は外食関連のコンサルタントで巻き返しを狙っている。
怖すぎてフィニッシュ
睨み、説教し、怒鳴りつける激情家として番組ではとても有名で、一般人である志願者に対して
- 気持ち悪い
- ふざけんなバカヤロー
- 謙虚になれよ!
と、ボッコボコにします。とにかく怖いです(笑)
もし自分が志願者として出た時に小林社長に当たったら「終わった・・・」と思うほどとにかく怖い。
・・・と、思いましたが、よく見ると怒鳴るのは相手が理不尽だった場合だけ。実際しっかりと夢を持って一生懸命になっている志願者相手にはしっかりと話を聞き、肩を持つ一面もあり、根はやさしい人でした。
・・・と、思いましたが、やはりそれは素人相手だったから。実際に働く現場ではやっぱり怒鳴り、クズだのバカだのと頭を殴り付けていました(震え)
こういった記事を書くだけでも僕自身ちょっとビビってしまいますが(笑)コチラもやはり失敗の要因は仕事の規模を大きくしたからではないでしょうか。
規模が大きい分、ダメージもでかくなる。10年以上も勝ち続けてきた成功者でも、一度の失敗で一気にマイナスになってしまうほどの、大きなダメージになります。
また、ムチで人を使う。それはもちろん愛のムチではあるのでしょうが、時代が変わった今。なかなかそれについていける人も少ないんじゃないでしょうか。水も飲ませてくれなかった熱血野球部のような、「取れるまで帰ってくるな」と泣きながら訪問に行かされるセールスマンのような。もうそんな時代ではないのかもしれません。
【まとめ】気を付けなくてはいけない3つの間違った常識?
数々の転落した社長達を見て、3つの「昔に築かれた古い常識」があることに気づきました。
そして、未だにその古い常識を信じている起業家達が多いのも事実です。
最後に、マネーの虎の10年間を通して、10年前は当たり前だったけど今では通用しないようなビジネスの常識を3つにまとめてみました。
1、ビジネスには必勝のセオリーがある?
一つの成功や一つの失敗から教訓が生まれますが、それが全てではありません。
本に書いてあることが必ず正解とも限らないし、たとえそれで一度成功したとしても時代が変わればすぐにそのセオリーも使えなくなります。
時代や状況に合わせて常に変化していけるような臨機応変さと、信じている常識を手放せる力が成功し続けるためには必要ですね。
2、成功とは、どれだけ会社を大きくしたかである?
マネーの虎に出る志願者のほとんどが「夢はフランチャイズ展開です!」と声をそろえて言っていました。
確かにせっかく起業したのにお店が1,2店舗しかないのなら大成功とは言えなそうですよね。憧れの成功者達のように全国展開を目指す。また海外にも進出していく。誰もがそれを目標にしていました。
しかし10年経った今苦しんでいるのは全国展開している大企業です。増やしすぎてしまった店はもうどうにも出来ず、ブームが去れば店の数だけ打撃がきます。
世界に通じる大企業「マクドナルド」でさえ、最近では中国産を使っていることが分かり、多くの店舗が潰れてしまいましたよね。
店を広げるのはリスクを広げるということ。今の時代の常識はいかにリスクを少なくして、その中でいかに効率よく稼げるかの仕組みを考えていくことに変わっています。
3、夢を掴むためにはマネーが必要?
当時の放送を見ると本当にビックリしますが、一般人が一つのアイデアを形にしたいと数百万、数千万円を希望していました。
- 結婚を前提とした合コンプロデュースに1133万円欲しい
- 不登校児対応の進学塾に2800万円欲しい
- ファーストフード化したビビンバ専門店に3000万円欲しい
これらは不成立でしたが、失敗したら立ち直れない金額ですよね。また、ほとんどは宣伝費や都内一等地に出すという理由でこんな金額になっていますが、それでも成功するとは限りません。また、売り上げたお金もほとんど返済に消えて、プラスになるまでかなり先の長い話になります。
今はインターネットが主流になり、資本金もコストもかからなくなりました。まさにお金がなくても起業出来る時代です。失敗しても借金は負わないし、少しでも売り上げれば黒字なので、冷静に余裕を持ってビジネスが出来るんです。そう考えたら起業に数千万とかもう考えられませんよね。
「もう一度見たい」とマネーの虎の復活を願う人も多くいますが、こういった意味でも、もうこの番組を見ることは出来なそうです。