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日本の徹底したサービス、おもてなし精神は世界から見てもちょっと異常だと言われるくらい水準の高い接客を誇っています。
自分はあまり気にならないと思っていても海外に行くと結構気になってしまい、やっぱり日本ってサービスいいんだなと実感出来ます。海外だと普通に店員さん同士で喋ってたり遊んでたり、キレイに袋に入れてありがとうございますと頭を下げるところも珍しいくらいの国もあります。
そんなわけで、そんな日本の接客なんですが、数多くのルールが存在しますしそれは会社ごとによっても違います。そんな中で色んなお客さんが来るので接客の仕事に悪戦苦闘している人も多くいると思います。
また、ちゃんとした接客を教えてくれる職場も少ないですよね。なんとなく先輩のを見て勉強してみてもなかなか上手くいかなかったり、お客さんとコミュニケーションが取れないことで話しかけるのが怖くなってしまったり、成果に繋がらないなんてこともあるでしょう。
色々とマナーやルール、マニュアルを覚えるのも大変だし、コミュニケーションを取るのにルールもなにもあるかと思ってしまうこともありますが、せっかく接客サービスの素晴らしい日本で接客をするのなら、やっぱりただ働いてお金をもらうだけじゃなくて、完璧な接客をして喜んでもらえるようなやりがいを持って働きたいですよね。その方が仕事も楽しくなるし、ムダなストレスもなくなります。
ということで今回は、職場じゃ教えてくれない接客の基本からコツ、心得などをまとめてみました。
職種や状況によっては使えるもの、使えないものとあるかもしれませんが、あなたの環境に取り入れられるような物があれば是非実践してみて下さい。
目次
意外と知らない?!秘伝のコツとマナー
接客がうまく行かない人、または自分では上手くいっていると思っている人ももしかしたら知らず知らずのうちにやってしまいがちなマナー違反が多くあります。
また、ちょっとしたところを改善するだけで大きく成果が変わってくるコツがあります。
是非チェックしてみて下さい。
ムリに笑顔は作らなくていい
「接客は笑顔で!」
これは当たり前の常識ですよね。無愛想な店員さんを見ると嫌な気分になりますし、やっぱり笑顔で対応してくれると嬉しい気分になります。
しかし、自然に溢れ出るような笑顔はとっても気持ちいいですが、無理して作った笑顔や、終始笑顔でいること。必要以上のオーバーリアクションは逆効果な場合もあります。
理由は3つ。
- 売るのに必死な感じが伝わってしまうこと。
- 接客を分かっている人には作っていることが分かってしまうこと
- 買う気のない人にとっては重荷になってしまうかもしれないということ
自分が客になった時の感覚を思い出してみると想像しやすいと思います。接客もガンガン来られてしまうと、ちょっとこっちも引いてしまうことってありますよね。買う気のない場合は特にそうです。
また、アパレルショップは分かりやすいですよね。服を買いに行く時のほとんどはなにを買いに行くか決めていない場合が多く、ただなんとなく見るだけなのにガッツリ接客されてしまうと鬱陶しく感じてしまいます。
もちろん笑顔が悪いわけではありません。逆に素っ気ない態度をとるような塩対応をしろと言っているわけでもありません。どんなお客さんにでもすんなり受け入れられる接客は「自然であること」これが一番大切です。
一部始終笑顔でいることは自然ではありませんし、その違和感が相手に伝わってしまいます。またムリをすればするほど不自然になっていきますし、「店員さん」というイメージが強く出てしまいます。
店員さん=売りつけられるという先入観がありますが、フラットでいることで店員だということを忘れさせ、「別に買わなくてもいいですよ〜」という安心感と、「お客様に取ってメリットがあるものだと思いますよ〜」という、ノルマのためでなく本当に相手のメリットを考えて純粋な感想を言っているような感覚を与えることが出来ます。
常に笑顔で声が高くオーバーリアクションなTHE・店員さんもいいですが、もしそれで上手くいかない人は、もっと自然に振る舞ってみると変わるかもしれません。
相手との距離に気を付ける
人と仲良くなることを「人との距離が近づく」と言ったりしますが、実はこの言葉は例えなんかではなくその意味の通りで、人は仲良くなるごとに不快に感じなくなる距離が実際に近づいていきます。これをパーソナルスペースと呼びます。
不快に感じる距離はもちろん人によって感じ方が違いますが、適度に感じる距離別に紹介します。(自分の顔と相手の顔との距離です。)
0センチ:家族や恋人
もう密着しても抱き合っても緊張したり気にならないような、恋人や家族などの心を完全に許せる関係でないと絶対に詰められない距離です。
30センチ:付き合いの長い友達
手を伸ばせば触れられるくらいの距離。ある程度関係が続いている友達であれば問題ない距離ですが、その他の人は少し近く感じてしまいます。
60センチ:異性や初対面
「異性なら0センチでも大丈夫」なんて言う人もいそうですが、まだ関係が浅い人でも緊張せずにいられる距離はこれくらいの距離と言えます。
120センチ:知らない人や嫌いな人
知らない人や苦手な人など、警戒してしまうような人は無意識に体全体が見渡せる距離を保ちたいと思います。その最低ラインがこの120センチだと言われています。
そして、接客での距離感は一番遠いこの120センチに当てはまります。なぜなら、「店員と客」という立場だからですね。店員は買わせる側なので、お金を出す側の客の位置にいる人はやはり警戒してしまいます。
お客さんと距離を縮めようと積極的になるのはいいですが、120センチ以上、例えば手を伸ばせば触れるくらいの30センチまで踏み入った場合にはパーソナルスペースに入ることになるので、不快感を与えているかもしれません。
さらに、120センチの距離を開けて不快に思う人もいないと思うので遠い分には問題ありません。いつもの接客時の距離を思い出して、自分は近づきすぎていないか確認してみて下さい。
ちなみに、テーブルごしで対面式な場合も、前のめりになりすぎないように注意しましょう。お客さんに声が届かないと思うかもしれませんが、実は声は小さいくらいの方がいいんです。なぜなら、聞き取りにくいと相手は一生懸命聞き取ろうと耳をすますので、その結果こっちの話を良く聞いてくれるという心理テクニックが使えるからですね。まぁこれは接客というより営業のコツになってしまいそうですが。。。
言葉遣いは相手に合わせる
接客で気をつけたいのが言葉遣いですね。正しい日本語を使えない人や、バイト敬語と言われるような、ちょっと変形した言葉を使ってしまう人は、口調を戻すのは大変なことなので悪戦苦闘するかもしれません。
ということで、ちゃんとした日本語を学ぼうとするわけなんですが、実はこの「正しい日本語を使う」ということは本質ではありません。大事なのは、「相手が不快に思わない、馴染みやすい言葉を使う」ということです。
たまにマニュアル通りの言葉遣いで、まるでカンペを見ながら喋っているような店員さんがいますが、そういう人は相手が誰であろうとその口調と喋り方で接しています。言葉遣いも正しく正確に伝えてはいますが、それがイコール親切ということにはなりませんよね。
例えばビジネスマン相手にはしっかりとした敬語を使いたいですが、主婦を相手に堅苦しく丁重に日本語を使うと、時に機械的に感じてしまって、親切だと受け取られないことがあるかもしれません。
また、専門用語もそうですね。高齢者の方がパソコンを買いにきたときに、「外付けHDDがどうした」とか「MacがこうでWindowsがこうだ」と正しい表記で伝えるのは間違いではありませんが、相手は意味が分かりません。
大切なのは人によって臨機応変に変えて伝えること。自分の日本語が正しくなくても多少間違っていても、相手の気持ちを考えて丁寧に伝えればきっと満足してもらえます。
しかし、といってももちろん最低限の正しい日本語は使いたいですね。いくつか間違えがちな日本語も紹介してみるのでチェックしてみましょう。
- サイズはMのほうでよろしいですか?←「ほう」を付ける意味がない。「サイズはMでよろしいですか?」
- カレーになります←カレーに変化するという意味になってしまいますので「カレーでございます」
- 了解です←「かしこまりました」を使いましょう。これをすんなり言えると社会人度UP
- なるほどですね〜←こんな日本語はない。「なるほど」も敬語ではありません
- よろしかったでしょうか←聞き慣れた言葉ですが改めて見ると変ですよね。「よろしいでしょうか」です。
普段使ってしまっているものはありましたか?ちなみに私自身はこのサイト上では間違った敬語ばかり使っているので、ドヤ顔で紹介しましたが自信ありません・・・。
話すのではなく聞く
接客という短い時間でどんなことを話そうかと悩む人も多いと思いますが、接客でもプライベートでも、話は話し手よりも聞き手に回ることの方が遥かに恩恵を得られます。その4つのメリットを紹介しましょう。
1,誰もが話を聞くより話したがりだということ
自分からなにか話さなくちゃと思いがちですが、そもそも人は誰もが話を聞くよりも話すほうが好きです。「自分は聞き役だから」という人ほど実家ではよく喋ったりしていたりするように、そういった人は上手く話せなかったり、相手に共感してもらえないことが多かったりするだけで実は誰もが喋りたがりなんです。
自分のことに興味を持って質問してきてくれると嬉しいですよね。そしてその話を楽しそうに、リアクションをとって貰えたら話も止まらなくなってしまいます。
逆に言えば、人の話を聞く。特に興味のない話を聞くことほど苦痛なことはありませんよね。なので、無理して話をしなくても相手に話をさせたほうがお客さんをもっと満足させることが出来ます。
2,話さなくていいので疲れないし楽
毎日笑顔を作って声出して、相手に気を使いながら話し続けるのって疲れますよね。そういうのが好きという人もいますが、やはり仕事でやり続けていると段々疲れてきます。
話をする側から聞く側にうつると、肉体的にも圧倒的に楽になりますし、会話の内容もわざわざ考えなくても良くなるので精神的なストレスも減ると思います。
さらにそうして心に余裕を持つことで、もっといい接客が出来るようになります。頑張り過ぎないというのも接客のコツになるんですね。
3,自分の話を聞いてもらえると安心出来る
とっても上手く話が出来て、相手も楽しそうにしてくれていたように見えた。のに、買ってくれなかったor二度と再来店することがなかった・・・。なんてことってありますよね。
そんな時はもしかしたら、8割以上自分が喋っていたからかもしれません。お客さんは本当はもっと聞いてもらいたいことがあったかもしれないのに、何か悩みがあったかもしれないのに、それに気付くこともなく商品の説明だけをされていたら、どう思うでしょうか。
自分のことばかり話す人を人は信用出来ません。なぜなら、「この人自分のことしか考えてない」と思われてしまうからです。店のノルマ、自分のメリット、売上のことばかり考えてがめつく思われるかもしれません。
自分の話をとても良く聞いてくれた場合、「自分のことを思ってくれている」「自分の悩みを分かってくれようとしている」と思い、そこで心を開くことが出来ますし、どんな楽しい話を出来たとしてもあなたが一方的に話していたら成果はあがりません。
4,悩みを引き出せば物は売れる
これはセールスの基本でもありますが、お客さんの悩みや求めていることを何も聞かずに商品の説明をあーだこーだとひたすら話し始めることはタブーです。それではまるで数撃ちゃ当たる戦法ですし、誰にでも同じような接客をするのであれば機械で十分、あなた(人間)がやる必要性がありませんよね。
物を売るにはまずお客さんの悩みを質問で引き出す。そして、具体的な原因を明確にさせて、最後にその解決策として商品を初めて提案する。細かい説明は一切いりません。
例に出すとアパレルショップの場合、
「この服は◯◯という雑誌に出ていてこの柄も今年流行っているんですよー。」
と、相手の要望もなにも聞かずに突然商品説明に入る人がいますが、これはただお店側が売りたいものを押し付けているだけ。相手にとっての悩みを解決したり要望を満たすものではありません。
まずは相手を知ること。何を思っているのか、どんなものが好きでなにが苦手なのか。自分より相手に興味を持つことで良いコミュニケーションが取れます。
質問にはYES、NOで答えない
何かを聞かれた時に、その言葉をそのまま返してしまう人がほとんどですが、「おっ、出来るな」と思わせる人はその言葉自体の意味ではなく、相手が言っていることの本質、真意。相手が求めていることを察します。
例えば「トイレありますか?」という質問に対して、ない場合にはなんと答えますか?
- ありません。
- ありませんが、ここからだと駅のトイレが一番近いですよ。
1よりも2の方が圧倒的に親切に感じますよね。このお客さんは、この店のトイレの有無が知りたいわけではありません。
また、「解約したいんですけど」という要件に対しては、
- 違約金がかかります。
- 違約金がかかりますがこういった方法をすれば負担が少なくなります。
などですね。相手が言いたいこと、相手の求めていることを察して付け足して返す。出来ます、出来ませんと「YES、NO」で返すとマニュアル的な対応に感じてしまい、親切だなと思われることもありません。
また、例えば電気屋で「インターネットどこですか?」と聞かれた時に「そんなものはありません」とその言葉に対して返答してしまう人がいます。
大事なのは相手が何を言いたいのか。何もを求めているのかを察してあげること。「パソコンのことですか?」「なにかお困りですか?」と質問することも親切ですしうまくコミュニケーションをとる秘訣です。
基本マニュアル
次に、接客で覚えておきたい基本的なこと。マニュアルとして多く使われているようなことを紹介していきます。
最近ではこういったことも知らないまま、誰にも教えられることのないままの人も多いと思うので、知っていることがほとんどかもしれませんが再確認しておきましょう。
相手の目を見て喋る
相手の目を見て喋る。小さい頃から言われてきたくらい基本中の基本ですね。また、普段は目を見て喋れる人でもちょっと気を抜くと、作業しながら話してしまったり、後ろ向きで話しかけるなんてことも「失礼だな」と思わせてしまう原因になってしまいます。
目を合わせるのが苦手という人は、ちょっと視線をズラして眉間か鼻を見るようにすると、自分も緊張がなくなりますし、相手から見ても目を見て話せているように見えます。
その他も、何かをしながら接客するのはとても失礼ですよね。話しをする時の基本は手と足を止めて、顔をしっかりと向けて目をみて話すように注意しましょう。
ちなみに相手が複数人いた場合も、それぞれ平等に視線を向けてあげると印象が良くなります。前に2人で話しを聞いている時に話に入れなかったんですが、その店員さんはこちらにも視線をよく向けてくれて話もふってくれたりと、置いてきぼりにされずにとても嬉しかったし、出来る人だなと思わせたので、是非取り入れたいテクニックですね。
指はささない
遠くの物を指さす時や、場所を誘導する時などに、人差し指一本でさすことはマナー違反になります。そういった時には手をパーにして指を閉じて、バスガイドさんのように指ではなく手のひらを向けましょう。
また、小さな文字をなぞる時には、人差し指でさした方が分かりやすいので、その場合は例外です。
マニュアルに捕われず臨機応変に
ある日携帯ショップに行くと、とても混み合っていて順番待ちしている状態でした。そんな時にぼーっと見ていると、契約を終えた後、袋を持って店員さんが玄関の外までお見送りをしていました。
さて、これはお客様を第一に考えたマニュアルでこうあるのだと思います。しかし、他のお客さんを待たせているなか、少しでも早く案内したいという気持ちがあれば、「本日は混み合っているのでこちらで失礼します」と一声付け加えてカウンターでそのまま渡す方が、「お客様第一」となるような気がします。
これはただの一例ですが、マニュアルはあくまでマニュアル。誰にでも失礼に当たらないように作られているようなものになりますが、そのマニュアルではプラス@の満足感を与えることが出来ません。
人が満足感を得る時はどんな時か。それは、特別感を感じた時です。自分だけおまけしてくれた、普段はしないことを自分にだけしてくれた。そんな時にとても満足します。
もちろん、お金や物を特別にするのは難しいですが、接客サービスを特別にすることは可能です。人それぞれに、その人にあったサービスをすること。そのためにも、マニュアルに捕われず臨機応変に対応していくと、いい接客が出来そうです。
お客様は自分のお母さんだと思え
全てをまとめると、自分の子供やお母さんに接するようにするといい接客が出来ます。
お母さんとお買い物に来た時に何か聞かれたら、専門用語を多様したりせずに分かりやすい言葉を使って、相手にも分かるようにゆっくりと伝えますよね。
また、ただ一番高いものを勧めるようなことももちろんしませんよね。お母さんにとって一番いいものを選んで勧めると思います。
そういった思いやりを気持ちから持てると相手にも伝わるので、コミュニケーションも上手くいき、「ありがとう」と言われるような接客が出来るようになります。
まとめ
以上9つの接客のコツ・マナー・基本を紹介しました。まとめると、
- 店員さんオーラを抑えて自然に振る舞う
- 相手との距離感に気をつける
- 人によって伝わりやすい言葉で丁寧に話す
- 話すのではなく質問して話しを引き出す
- 言葉の意味、本質を察する
- 目をみて話す
- 指を指さない
- マニュアルにはないサービスを
- お客様をお母さんだと思って優しく
9つに分けて紹介していきましたが、全てに共通するのは、相手の気持ちを考えるということです。
「仕事めんどくせー」「早く帰りてー」「疲れた」「ノルマが・・・」などなど、頭の中が自分のことでいっぱいの時にいい接客が出来るわけがありません。
相手が今なにを考えているのか。何に困っているのか。どうしたら喜ぶのか。などなど、相手を知ろうとすること。これこそが接客業の心得と言えそうです。
是非試せそうなものがあれば実践してみて下さいね。